営業の現場で意外と多いのがお客さんに「どうされますか?」と判断を委ねる事。
でも逆の立場で考えると、数回の説明だけではよくわからないんですよね。
特に、はじめて購入する商品や、
リフォームや広告などカタチがない商品の場合は、お客さんはイメージしにくい。
「どれにしますか?」という選択肢があまりにも多いと、
「考えます」となり...その場で思考が止まってしまう可能性もあります。
プロとして「私は●●をおすすめします」と「言い切る」ことが大事です。
責任を持つということです。
お客さんが年上であっても、プロなら当然です。
お客さんも実は「決めて欲しい」と思っておられることも多かったのです。
その時によく使っていたのが、他の方の事例でした。
よく似た設定の話をしました。私がただただ、いいとか悪いとかいうのではなくて
「先日、●●という事例がありまして、◇◇したら○○になったんです!
だから私は、□□さんにも■■をおすすめします」というように具体的な話をすると
お客さんは選びやすいのです。
金額が大きくなればなるほど、迷われる方、即答しない方も多くて、
その場合は「背中を押して欲しい」「決め手が欲しい」「自分が納得したい」と
望んでおられます。
説明だけしてお客さんに判断を委ねるのは実はプロとしては不親切です。
お客さんから課題を与えられた時、特に値引きが多いですが
「検討します」「持ち帰ります」ではなくてその場で返事をするほうが良い結果になります。
値引き交渉されるということは、
もう契約してもいいという気持ちが盛り上がっている状態だからです。
以前いったん持ち帰って、後日連絡したら「他の会社で決めたから」と言われたことがありました。
一社だけでなく数社と話をすすめらおられる方も多いので、即答できる会社のほうがいいのです。
それからは即答するように心がけました。
もちろんはじめに何%までなら値引きOKなのか、
それとも全くダメなのかということをはじめに会社と決めておくことです。
以前、「値引きして」とお願いされた時に
「いっぱいいっぱいなので無理なんですよ」とお断りしたら、
「じゃあこれでいいわ」と契約していただいたこともありました。
その時は、びっくりしましたが、お客さんは値引きしないと契約しない、のではなくて、
値引きできたらラッキー!
だからとりあえず言ってみるという方も多いんだと、多くの経験を重ねてから気づきました。
はじめて仕事に就いたときは研修でいろんなことを教えてもらいました。
接客のマニュアルトークを商品ごとにロールプレイングをして念入りに。
でも現場では、その通りにはいきません!
はじめは、なんで?と悩んだりおちこんだり...。
でも難しく考えると疲れてしまっていいことは全くなかった。
いろんな人がいるんだからいろんなパターンがあって当然。
そう考えるようになってからは、気持ちがラクになって
結局それが自信へとつながりました。
自信は自分を信じること。
言葉ってすっと頭に入ってきます。
否定的な言葉を使うとそのイメージが頭の中に浮かんでしまうので、
肯定的な表現になおすようにしています。
それはチラシやホームページで文字にするときも言葉で発するときも同じです。
言葉はそのイメージ通りの考えをひきよせてしまいます。
たとえば「住まいにお悩みをお持ちの方」とするよりも
「住まいがもっとこうなればいいなという夢をお持ちの方」とするほうがいい。
同じような意味ではあるけれど前者だと悩み相談になってしまい
先の話までつながらなかったのに、
後者だと夢がどんどん膨らみ、お客さんのほうから「見積もりしようかな」と
ぐっと先まで進んだのです。
子どもって喜怒哀楽がはっきりと顔に出ます。
笑っている子どもの笑顔を見ると自然と笑顔になります。
すぐに泣くけど立ち直りも早い。
わかりやすいんです。
何を考えているかわからない人よりも、何を考えているかわかる人の方が安心できる。
接客や営業もそうだと思います。
大人になると変に常識や体裁に縛られたりしますが、
心を開かないように見えると相手も同じになります。
じゃあ、子どもみたいにストレートな表現のほうがわかりやすくていいんじゃないか、
受け入れてもらえるのではないかと気づきました。
頭で深く考えずに気持ちを表現する。言葉に出して言う。
「うれしいです」
「楽しいです」
「哀しいですね」
「それは腹が立ちますね」と。
「私はこう考えています」「こう思っています」
このように自分から喜怒哀楽を表現するようになってから、
お客さんとの距離がぐっと近づきました。